badazim’s blog

素人がプログラミングを勉強しながら覚え書きを書きます

ダーツ戦略論①:カウントアップの最適戦略

ダーツ戦略論①:カウントアップの最適戦略

1.はじめに

まず、第一回目はカウントアップの最適戦略を分析する。

分析のモデルについては、以下の記事を参照

 

badazim.hatenablog.com

 

一般的なプレイヤーはファットブルのルール(アウターブルも50点とする)では、常にブルを狙うのが正しいと言われている。

 

一方、トッププロを超えるようなあるレベルに達した以降は、20トリプルを狙った方が期待値が高くなるはずであるし、もしかしたらあるレベルのプレイヤーは比較的高得点のナンバーが並ぶボード左下側を狙った方が期待値が高くなるかもしれない。

 

この観点で検証するため、ダーツボードに縦横5mm毎の格子点(下図右側の青い点)を設定し、格子点毎に100回カウントアップを行った平均値を算出することで、格子点毎の期待値を求め、可視化することとする。

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左:分析対象とするボード 右:5mm毎に格子点を設定し、期待値を求める

2.ファットブルルールにおける分析結果

4段階のダーツの腕前(CCフライト/Rating4、Bフライト/Rating6、BBフライト/Rating8、AAフライト/Rating13)にて、シミュレーションを行った結果は下記の通りとなった。

※PCのスペック上、試行回数が少ないため等高線が綺麗に出ていない部分があります

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左:Rating4(σ=39.8) 右:Rating6(σ=29.8)
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左:Rating8(σ=24.8) 右:Rating13(σ=17.6)

 

本シミュレーションにより、カウントアップの戦略について、以下のような示唆が得られた

・Rating4レベルのプレイヤーは、19トリプルを狙うのが最も期待値が高くなる。これは、このレベルのプレイヤーに対して、19の周囲が比較的高得点のターゲットが配置されていることが有利に影響しているためと考えられる。

・Rating6レベルのプレイヤーになると、ブルと19トリプル付近のどちらを狙ってもほぼ同じ程度の得点が期待できる。これはプレイヤーの腕前がこのレベルになると一定程度ブルを狙ってブルに入る確率が高まってくるためと考えられる。

・Rating8レベル以上のプレイヤーになってくると、前述の傾向がさらに強まり、明確にブルを狙うのが最も適切な戦略となる。この傾向はRating13となっても変わらないことが確認できる。

 

高得点のターゲット3点(Bullの中心,19トリプルの中心,20トリプルの中心)について、プレイヤーの腕前(σ)毎に期待値を散布図でグラフ化すると以下の通りとなった。

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 基本的にはBullを狙うのが安定的に効果的な戦略となるが、Bullを狙ったカウントアップの平均点が1,180点を超えるような異次元のプレイヤーになってくると、20Tを狙った方が期待値が高くなることがわかる。また、CC~Cフライト上位のレベルでは、一時的に19Tを狙った方が期待値が高くなるが、これより低いレベルの場合、再びBullを狙った方が優位になっていることが確認できる。これはこのレベルのプレイヤーの場合、トリプルを狙った場合にアウトボードする確率が無視できなくなるためと考えられる。

3.ブルセパレートルールにおける分析結果

ファットブルルールではBullが優位すぎるため、あまり興味深い結果を得られなかったため、クリケットや一部のプロトーナメントでは01でも採用されているブルセパルール(アウターブルは25点) でも同様に分析を行う。

 

 

(分析中)